此処は何億光年彼方に輝く星々の一つ。その宇宙の星の小さなある日のお話。2

 

 

何億光年彼方に輝く星々の中に

一段と穏やかな光を放つものがある。

 

その星の

此処は

無限の命という

小さく広い憩いの広場。

今日も

何処からか来る者達が

自然に導かれ

集うのである。

そんなある日のお話。

 

 

ふて猫と小さな女の子と

 

 

そっと、ぽとぽとと

軽い身の小さな女の子が駆け寄り

黒っぽい大きなマントに身を包んだふて猫へ

声を掛けた。

「来てね」

不意を突かれたふて猫は

見上げる大きな瞳の方へ振り返ると

差し出された小さな袋を

受け取っていた。

(ええーっ?)

「これなんだぎゃあー(・・?」

次の少女の方へ走り出していた小さな女の子へ

慌てて声を張り上げた。

離れていく女の子は

「お店屋さんなのー♪」

と言うと

指であっちを差す。

見ると

なるほど

おもちゃのお店屋が建っている。

「これどうするんだぎゃあ❔」

再び訪ねたふて猫へ

「その中にー

おもちゃのお金が入ってるからー

好きなものをー

注文に来てねー

招待だからー」

言い終えると行ってしまった。

頭の中を整理しながら

ふて猫は小さな袋と

小さな女の子の声を

理解したふうに

瞬きをする瞳が少し緩んだ

『ほーかね

招待きゃ…』

暫くの

まごまごと迷う気持ちに加えて

自分があっちのお店屋さんで

過ごす気恥ずかしさが襲った

 

(せっかくだぎゃ、

子供の遊びだぎゃあ

わしが行かんでも

どうってこと無いぎゃ?

あんな小さな子を

裏切るだきゃ?)

でも

一歩が出ない

 

もうひとりの女の子

 

 

踏み出せ無い足元に

もう1つの

踏み出せ無い影が近付いて

そっと見ていた

どうやら

小さな袋も

迷いも

ふて猫同様らしい

ふたりぼやぼやと

立ち止まる間も

時間が音を刻む

カチと金属音を止めたのは

待ちくたびれ始めた

小さな女の子の声だった

『どう

したのー?

ふたりで

どうぞー』

声を掛けられた

ふたりは

ようやっと

(一人より

立ち入り易い)

ほっとし始めたと

同時に

可愛い招待に応える為

ワクワクと踏み出した

 

 

 

つづく

 

 

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